お客様のお宅にて
「健康診断で高音が悪いと言われたけど、補聴器で高音を足してるの?」
「高音が悪いってどういう事?」
と聞かれ、目の前にピアノがあったので、実践することに。
まずは補聴器を着けて、鍵盤をたたいてもらう。ドレミファソラシド・・・♪と一番右の高い音まで鳴らしてもらう。補聴器を着けているから、特に問題なし。
今度は補聴器を外して鍵盤へ。
ドレミファソラ・・・・♪と鳴らして行った所でお客様に質問する。「鍵盤の右端の方を叩いたら、どんな音がしますか?さっきみたいに「キン」とか「チン」とかしますか?
「いや、聞こえん。「カンッ」とか「ゴツッ」て聞こえる。」
その「カンッ」という音は、鍵盤そのものの木の音です。高音が聞き取れなくなる、というのはそういう事です。周りの人には「キン」と聞こえています。もちろん鍵盤を叩く「カンッ」という木の音も聞こえますが、「キン」の音の方が強いいので、ほとんど聞こえません。
これには同席していたご家族もびっくりのご様子で、「ほんとに?」「ああ、ここから先がゴツッゴツッって聞こえる」と鍵盤を前に、真剣にやりとり。
お客様もご家族も、驚きつつもご理解いただいた様で、「こんなに悪かったんだねー」とお客様に優しくなったようでした。
健聴者には、高音だけが悪い、という意味がなかなか伝わりにくいので、家の中の高音を出して聞いてもらったら、家族の理解も深まるかもしれません。
熊本店 小坂