先日,理学療法士の先生の講演を聞く機会がありました。
色々な動作ができない理由、どうやったらできるようになるかを説明される中の一つの例として、「子供の折り紙」の話をされました。
「折り紙を折るのが苦手なお子さんが多いけれども、「折り紙の端と端を合わせる」というのは色々なスキルが含まれる動作で、小さい子供にとっては実は大変難しい。どうして難しくなるのかと言うと、紙を半分に折る時、輪になった所が元に戻ろうとするから、合わせるのが大変になるのです。 だから最初はある程度重さがあって、自分からもとに戻らない物、例えばタオルなんかを合わせる練習から始めてみてみるといいですよ」と仰っていました。
発想の転換にものすごく感動しました。
普通は、間違いを正すにしても上手に折るための方法しか考えないですよね。でも、器用さ、不器用さではなく、何が妨げになってできないのかを考えて、そこを改善するとできるようになるって着眼点がすばらしいなと感心しました。
「補聴器は高齢の方が使うものだから簡単でしょ?」と思っておられる方が意外と多いのですが、「簡単」に装着できるかどうかは、かなり個人差があります。
私たちは、装着がうまくいくように「装用練習」をお客様と行います。
補聴器をうまく装着できないお客様には、装着ができるようになるまで、色々な方法で何度も練習します。 うまく装着できない理由は、人それぞれ。
伝え方を変えるだけで、コツをつかむ方や、一緒にやってみたり、写真を撮って説明や、ラミネートを作ってお渡し、シール、テプラを貼ったりはもちろん、その他様々な方法で、お客様にとって一番やりやすい方法をご提案しています。それでも思わぬ間違いが起きることもあります。その時はまた、なぜその間違いが起きてしまうのか、ご家族の方などにもお話を聞きがら方法を考えます。
妨げになるものを考えてその方に合わせた提案ができるように、今回の理学療法士の先生の発想を参考に、これからもたくさんの簡単な方法をご提案できるようになりたいと思いました。