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オーティコン補聴器のAI機能【DNN】とは?






– 人工知能『AI:Artificial Intelligence』 –




ここ数年で『AI』という言葉を頻繁に聞くようになりました。人工知能『AI:Artificial Intelligence』とは、人が行う知的活動をコンピュータープログラムが実現すること、になります。身近なところでいくと、コンピューターの音声認識(音声を認識する)や将棋や囲碁をAIが打つ(ゲームをする)、などが挙げられるでしょうか。有名なものはChatGPTやAI生成イラストなどありますが、直接的に目に見えるものだけでなく、様々な分野で『AI』が活用され始めています。




ところで、様々な分野で活用・開発されている『AI』ですが、実は決まった定義がありません。広義では上記のような認識で問題ありませんが、決まった定義が無い以上、何をもって『AI』というかは人によって変わります。




オーティコン補聴器に使用されているAI【DNN】-




弊社で取り扱っている補聴器メーカーのオーティコンは、高度な人工知能『AI』のひとつ【DNN:Deep Neural Network(ディープニューラルネットワーク)】を採用しています。【DNN】とは、人が自然に行う様々なタスクを、コンピューターを使い、様々な経験から反復と失敗を重ね学習していく人の脳の学習方法を模倣していく機械学習(深層学習)の一種です。




【DNN】の特徴 –




【DNN】は、人の脳と同じように訓練と失敗を繰り返しながら学習していきます。




例えば、犬とはこういうものだと異なる犬の写真を1,000枚学習中の【DNN】に訓練させると、人の脳と同じように訓練と失敗を繰り返しながら、自ら犬について学んでいきます。




【DNN】が登場する以前は、犬の特徴(目の位置)(口の形)(鼻の色)など、犬とはどういうものか人間が明確にルールを設定する必要がありましたが、【DNN】は自ら犬を学んでいくのです。




実際【DNN】のニューラルネットワークとは、脳の神経回路の一部であるニューロンの繋がりを模倣した構造を持っており、より高度な推論を可能としています。学習のプロセスは、赤ちゃんの脳が様々なものの名前や音の意味を覚え成長していく過程に似ています。




-【DNN】学習の仕組み –




【DNN】がどのように学習を行っているか、その仕組みを見てみましょう。




①学ばせる情報をコンピューターに入力します。




②コンピューターは、受け取った情報を学習中の【DNN】に通し、それを分析します。例として車の音を挙げましょう。車の音の特徴を分析(音の大小、特徴、高低など)し、情報の整理を行います。




③学習プロセスの最後に、【DNN】は集めた特徴から車の音かどうかを推論して答えを出力します。




④【DNN】の開発に携わるエンジニアは、入力した音と【DNN】が導き出した答えを比較して「正解」「不正解」のフィードバックをコンピューターに戻します。




⑤【DNN】は受け取ったフィードバックを基に、どこを間違ったのかを学び直し、推理判断していく力を強化していきます。




これらのプロセスは、膨大な量の車の音を用いて、最終的にコンピューターが瞬時に「車の音」について認識できるようになるまで繰り返されます。




こうした一連の学びの過程は、私たちの脳の学びと同じですね。




– 【DNN】を搭載した補聴器のメリット –




補聴器メーカーのオーティコンは、以前から聞こえと脳の関係を研究していました。そして、最近の研究結果で、脳本来の働きを活かすには『脳はありとあらゆる音の情景を必要としている』ことが分かりました。




オーティコンは、補聴器の音声信号処理について一から見直し【DNN】の採用を決め、世界中から集めた音の情景についての膨大なデータを基に、1,200万もの実際の音のシーンについて分析・整理・バランスを図る方法を【DNN】に学ばせ、学習済みの【DNN】を補聴器に直接搭載しました。




【DNN】を搭載したオーティコン補聴器は、周囲の音環境やその変化を詳細に認識して、脳に理想的な聞こえを届けるためにはどう対処すべきか学習済みです。そしてそれは、脳が音の全体像にアクセスしやすくなることも意味し、脳本来の聞こえの働きをサポートするのです。




– まとめ –




【DNN】は、私たちの脳と同じように、訓練と失敗を重ねてさせていくことで学習する人工知能『AI』です。




オーティコンはこうした技術を積極的に取り入れていくことで、聞こえで困っている多くの人に更なる聞こえの可能性を提供し、また、聞こえの可能性を追求し続けています。




オーティコンが補聴器専用の【DNN】を搭載した補聴器を世界で初めて世に送り出したのは2021年。それから更に改良が進み、第2世代の【DNN2.0】が搭載された補聴器『Intent』(インテント)が今年6月に発売されました。




これから先の進歩を期待しつつ、現在進行形で聞こえでお困りの方は、ぜひ【DNN】搭載の補聴器『Intent』(インテント)の聞こえを体験して欲しいと思います。





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