「補聴器を試したい」と連絡あって、ご自宅へ訪問した方の話。
お客様の話を聞いていると、某メガネ屋さんから補聴器を買ったが、使ってないとの事。
あったら見せて欲しいとお願いする。すると、・・・
真新しい、○○社の包装が出てきた。お客様に許可をとり、中を見せて頂く。
○○社の、新品同様の耳穴式補聴器がひとつ入っている。
(これ、ずいぶんとキレイだな、っていうか、これって・・・)
まさかと思い、聞いてみる。
私 「これ、何回くらい使いました?」
お客様「一回も使っとらんよ。」
(ああ、やっぱし・・・新品同様、というか、新品、未開封状態!なのよねこれ。)
ここで、疑問が頭をよぎる。
(あれ?買った補聴器を使わない人って、何回か使ってみたけどダメだった。って
みんな言ってるよね、この方は、あれ?全く使ってない?なんで?)
私 「何で使わなかったんですか?」失礼かと思ったが聞いてみる。
お客様「買ったときから聞こえんかった。」
私 「・・・・・・、何でこれ買ったんですか?」失礼だと思ったが、口から出た。
お客様「『慣れたら聞こえるようになるから。』って言われた。」
私 「・・・・・・」開いた口が塞がらなかった、もちろん売った人に対して!
確かに、「補聴器に慣れたら聞こえが良くなっていきます」というのは間違ってません。
しかしそれは、
「補聴器を着けて、聞こえるようになった人が、慣れたら、慣れる前よりも聞こえが良くなる」
という意味です。補聴器付けても聞こえない人は、慣れても厳しいです、というか、まず慣れません。(役に立たないんですから、使う意味がありません)(←一部例外あり)
もちろん、このお客様には、私が「ちゃんと聞こえる補聴器」をお出ししました。
お客様から、「これは、前のとは全然違うな!」と笑顔で言われたのが嬉しい思い出。
熊本 小坂