補聴器の業界では基本的な事ですが、「聴力によっては、耳穴式補聴器をお勧めしない場合」があります。一般的には低い周波数の聴力が落ちていない場合に耳穴式補聴器を装着すると、「自分の声の響き、閉塞感、こもり感」などが発生し、補聴器の使用が難しくなります。ですので、こういった聴力の方には「耳掛け式(RICタイプ)」の補聴器をお勧めしています。しかし、こもり易い聴力の方でも「どうしても耳穴式じゃないと!」というケースがありまして・・・
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ずいぶん昔の話になりますが、50代男性で、補聴器を試聴した時点で、「こもり感が非常に強い」と言われた方のケースの話です。
すべての説明もして、本人もこもり感を実感して上で、それでもなお「どうしても耳穴式が良い!」との話になった為に、耳穴式を作ったことがあります。
できるだけ何とかしましょう!!と、補聴器の注文書の中でできる限り「こもり感対策」を入れて、「段ベント+溝ベント大+音口細め+さらにシェル削る」という、当時出来うる限りの対策をして作ってみたのですが、「こもり感」が消せませんでした。
諦めきれず、メーカーに相談すると、「実は、4mmホールベントというのがあります」という返事。試しに作ってみたら、直径4mmの、存在感の凄いベント(通気口)の補聴器が届き、こもり感を解決することができました。
当時、「我々に伝えていない裏メニュー的な物」があったのか、と思ったのと、対象の50代男性のお客様の外耳道が極太だったんだなと驚きましました。今日まで4mmベントを作ったのはその方一人だけです。
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当店は、できるだけお客様のご要望にお応えしつつ、最善の聞こえをご提供しております。お気軽に聞こえや補聴器のご相談にご来店くださいませ。
熊本店 小坂